睡眠と肥満(2)

 
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細山浩
東京大学農学部農芸化学科食料化学研究室修了 農学博士
現在、株式会社エム・エイチ・ビー代表取締役副社長
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   2007年03月14日(Wed) 
 睡眠と肥満(2)
一部で桜の開花予報がでている地域もありましたが、最近の冷え込みで少し開花も足踏み状態でしょうか。
しかしまだ肌寒いとはいえ、朝の気温は冷たい冬の朝に比べればすごしやすくなりましたよね。「春眠暁を覚えず」のとおりです。

さて、今回は睡眠と肥満についての続きです。
睡眠と肥満がなぜ関係しているのか?とお思いになる方は多いと思いますが、下記のような面白いデータがあります。

2004年 米コロンビア大学やスタンフォード大学などの健康調査(疫学調査)をもとに、無呼吸症候群や不眠症などで、睡眠のサイクルが狂い、睡眠不足になると、それが肥満につながることが明らかになってきています。
また、コロンビア大学の研究発表(National Health and Nutrition Examination Survey)では,約1万8000人(32−59歳)を調査したところ、平均睡眠時間が4時間以下の人は、睡眠時間7−9時間の人に比べて73%も肥満になる確率が高く,睡眠時間が5時間の人は50%,睡眠時間が6時間の人は23%肥満になる確率が高くなるという結果がでています。

いかがでしょうか。
にわかに信じ難い方もいらっしゃるかと思いますが、ここに関わっているのが、「グレリン」と「レプチン」というホルモンで、食欲やエネルギー消費を通して肥満に関係することがわかってきています。

グレリンは1999年に発見され、空腹時、食事の直前に胃から分泌され、食欲をかき立てます。睡眠をとらず夜更かしして空腹を感じると、そのたびに分泌され、食欲がわき、食事の回数が増え、肥満につながるわけです
一方、レプチンは、さらに少し前の1994年に発見され、脂肪細胞から分泌され、『もう食べなくてもいい』という信号を脳に送ることが分かっています。
食欲を抑えると共に、エネルギーの消費を高める働きがあります。 

この2つのホルモンがバランスを取り、肥満を防いでいますが、夜更かししたり、睡眠が取れなくなると、グレリンが働き、レプチンが利かなくなり、バランスがくずれてしまうというのです。

スタンフォード大学では、約1000人(30−60歳)を調査したところ、5時間眠る人は8時間眠る人に比べて血中のグレリンが14.9%も多く、食欲抑制物質レプチンの量は15.5%も少ないという結果が得られています。

最近子供や若い人でもメタボリックシンドロームに悩まされるのではという危惧があります。それは、インターネット、ゲーム等で昔に比べては子供が夜更かしをする機会が増え、グレリンとレプチンのバランスが崩れ、肥満体質の子供が増えつつあるからです。
シカゴ大学メディカルセンターによると健康な20代の男性12人を対象に、2晩連続で睡眠時間を4時間に制限した生活してもらうと、4時間以上寝ていた時に比べて,24%も過剰に食事をしてしまったという結果が得られました。 食事の内容も甘いお菓子(キャンディーやクッキー),塩辛いもの(ナッツやポテトチップ),炭水化物(パスタやパン)などを好んで食べたそうです。

夜更かししたときについつい食べてしまうから太る、ということだけではなく1日の食事に影響が出てしまうということです。

やはり、健康管理の上で適度な睡眠は非常に重要で、明日も健康ですごすための準備をしているということを忘れずにしっかりと睡眠をとりましょう。
 
 
Posted at 14:38 Comments/TrackBack(0) Permalink 睡眠